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第1部 三章【護りのミサト!】その7 第四話 最後のアタック

Author: 彼方
last update Last Updated: 2025-12-18 18:30:00

90.

第四話 最後のアタック

 安岡の手牌は悪くてアガリなどムリそうだからカオリに安全で仲間に危険牌になりそうなものを集めていった。

(今回のおれはアシスト役だな。浜さんはなんかミスってて使えねーし、呉の兄貴が欲しくなりそうな所を集めとくか)と安岡は初手からアガリを諦めた。

 その選択を見て(対面のチャラ男はアガリを諦めてる感じね。それとも七対子? 何にしても早そうではないわ。チャラ男のことは無視でよし)とカオリは読み取る。

 呉の手は悪くなかったが役が作れずにいた。リーチをかければいいかもしれないがそうすると満貫直撃で逆転されてしまう。それだけは避けねばならないのでなんとしても手役を作る必要があった。

(くっ、いつもリーチしてツモればいいやでやってるからいざ手役を作らなければならないとなると苦手だな。でも、200万が賭けられてる一局だ。絶対に隙を見せちゃなんねえ。ここはダマでアガれる手を……!)

数巡後

呉手牌

①①①⑤⑥⑦34789中中

(ぐっ、くそッ! 役無しだ。誰か中を出せ! そしたら鳴いて役ありテンパイだ。あるいはツモっちまえ!)

シボッ!

 ストレスで呉はタバコに火をつけていた。

カオリ手牌

三四②③④⑤24赤567中中 5ツモ

(ヤバいかな。上家のロン毛がテンパイタバコ吸ってるし…… でもここはこの一打!)

スパン!

打2

 恐怖心ですくむ手をなんとか前に出して心では震えながら、それでも勇気で選んだ正着2索切り。それは呉の当たり牌だった。ただ、呉が勇気を出してリーチしていたらの話だが。

(ぐっ! くっそおおお! おれの勇気が足りないっていうのかよ! おれが臆病だってか? くそがあああ!!)と苛立つ呉。

 そしてついに来る運命の引き。

カオリ

ツモ3

(来た!)

カオリ手牌

三四②③④⑤4赤5567中中 3ツモ

(タンヤオまで可能性見て②筒とか残してたけど高めを引けたならもうここに全てを賭ける!)

「リーーチ!!!!」

打②

ズガゴン!

 その瞬間近くに落雷があった。あたかもカオリのリーチ宣言牌に稲妻が落ちたかのようなタイミングだった。

 外は雷雲がゴロゴロ鳴っている。雷鳴とともにカオリの命懸けのリーチがかけられた。

 場に緊張が走った。

 そのリーチに何人もの人生が賭けられていた。それは呉たちも同じこと。

 カオリは最後のアタックを決めることができるのか!?

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